広いスペースを必要とする治療用プールは、建設と温水・室温の維持管理に多大な費用を必要とし、治療現場では患者と一緒にプールに入って治療に対処しなければならないセラピスト側に体力的な負担がある。
また、免荷が必要な患者を如何に安全にプール内まで移動させるかも問題である。そこで一般の施設にも充分導入可能な安価で、使いやすいプールの開発を行った。

実例から見る治療効果

フローミル ここでは、流水と水中歩行(トレッドミル)を組み合わせ且つ、コンパクトで低コストな流水リハビリ装置「フローミル」を使っておこなった、リハビリの実例をご紹介する。
症例 83才女性、右大腿骨頸部内側骨折
元来杖なしで歩いていたが、転倒し受傷。
3日後にA・O海綿骨螺子3本による骨接合術を行う。
術後18日目より水位鎖骨下でのプール歩行開始。レ線上頸部短縮など変形なく骨癒合し、術後13週で1本杖歩行で退院。

リハビリ訓練意欲の向上も

この「フローミル」は車椅子で生活しているような術後の患者に対しても、早期からリハビリテーションとして運動を行わせることができる。
著しい廃用性の骨・筋肉萎縮をみることもなくなり、患者の多くはプール治療を楽しみにしていて、訓練意欲の向上には見るべきものがある。その結果、術後の入院も通常の約3分の1の期間で退院が可能となった。

次回は、「第5回 流水の効果とリラクゼーション」について